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執筆者の写真角谷仁宣

2020_0731

お世話になっております。監事を務めさせて頂いております角谷です。

今年も折り返しを過ぎたことですし、前半を振り返ってみようかと思います。


まずは昨年7月からレコーディングが始まった桑田佳祐「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」の発表、

1/24全民放同時放送「一緒にやろう2020」に桑田さんが生出演するとのことで、

スタッフやミュージシャンがスタジオに集まり収録を見守りました。

その時はまさかこんな自体になるとはつゆほどにも思わず、これからオリンピックに向けて一人歩きを始めるこの曲と、

オリンピックの盛り上がりを想像し皆んなワクワクしていました。 この収録をしたいつものスタジオはオリンピック競技場の隣に位置しているので、

競技場や周りの施設が出来ていくのを目の当たりにしながらレコーディングをしていたのです。


二月に入りあっと云う間に世間は新型コロナのニュースで掛り切りになりました。

二月中旬、三月に仙台でミニライブをやるというオファーが来ました。

少し心配でしたが、下旬に入り大阪のライブハウスで感染者が出たとのニュースで強い不安に変わりました。

そしてミニライブの中止の知らせが来ました。

三月に入りスタジオでのお茶の間風ライブをやるとのことで、私は面子に入っておりませんでしたが直前に呼び出しが掛かりました。

メンバーリストにドラムやパーカッションの方が居なかったことから、候補曲のリズムを打ち込んでリハに臨みました。

先のミニライブからお茶の間風ライブに変更になったのは、民放ラジオ101局統一キャンペーン「WE LOVE RADIO」の企画で、

タイトル 「WE LOVE RADIO, WE LOVE MUSIC桑田佳祐のお家(うち)で RADIO〜こんな時こそラジオでSMILE!〜supported by SUUMO」3/10でした。


その頃からライブ関係者のSNSに「また一つ仕事がなくなった。」とか「今月の仕事が全部なくなった。」等の悲鳴の様な投稿が増えてきました。


四月に入り少しレコーディングに呼ばれました。緊急事態宣言が出るとの噂を訊き、柏住まいの私は都市閉鎖に備えて数日分の寝泊まりセットを持って行きました。

4/7、緊急事態宣言発令。レコーディングは無期延期になりました。自分の機材はスタジオに置きっぱなしで、機材を引揚げに行けたのは一月以上経ってからでした。


四月中は週二で多方面の友人達とのオンライン飲み会に参加しました。 普段気軽に会えない遠方の友人とも盛り上がれてなかなか楽しく、

気がつくと深夜1〜2時になっていることもしばしばでした。 ライブ活動中心だった友人のアーティストは、この間配信ライブを模索し、

ネットデュエットを使ってのセッションやYOUTUBEでコンスタントに投げ銭ライブを開催できる様になっていました。


五月の後半、サザンで無観客配信ライブをやるとのオファーが来ました。横アリで。 どうなるかと思いましたが、リハは順調に進みました。

いつもとの違いは、リハスタに入る際に、毎日体温測定と体調自己申告用紙の記入。マスク着用厳守。

スタジオ内ではソーシャルディスタンスを考えた配置と多数のアクリルパネルの設置。特に桑田さんの周りは厳重で三方を囲まれていました。


リハ最終日の前日に「拍手、歓声」のSEを試してみたいとの案が出て、私に相談が来ました。

さすがにこのタイミングではどうなるか分かりませんでしたが、自分の持っていたネタの「拍手、歓声」と、

映像チームや録音チームから見繕ってもらった「拍 手、歓声」で何パターンか作り最終リハで出してみました。

いいかもとの事で、自分の本番中の手順的にもそれ程負担にならなさそうだったので「ゲネプロ」→「本番」で使用しました。

難しかったのは毎回MCや曲間が違うので打ち合わせ通りに行かず、結局ぶっつけ本番のようなものだったところです。


横アリでのセットは通常のライブと同じ様な感じでしたが、カメラが通常の数倍はありました。

全ての客席にLEDリストバンドが二つずつ置かれ「真夏の果実」で 点灯され、幻想的に浮かび上がりました。

アリーナに置かれた聖火台は「東京VICTORY」で点火され、そこに居ないお客さまの代わりに舞台上、

舞台袖、FOHにいる全てのスタッフが拳を突き上げている光景と相まって感動的でした。アンコー ルを含め全22曲が無事に終わりました。


新型コロナの弊害は非道いですが、こんな状況にならないと経験できなかったことも多々あり、今回の無観客ライブもその一つでした。


JSPA理事:角谷 仁宣

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