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執筆者の写真守尾 崇

2020_1023

<ポルタメント大好き!>


いきなりですが、みなさんに質問です!シンセの機能やパラメーターの中で一番こだわりのある機能はなんですか?

オシレーター?フィルター?もちろん色々な機能が組み合わさってのシンセサイザーなので、一つに絞るのは難しいと思うんですが‥自分はポルタメント機能が大好きで、かなりのこだわりがあります!そこで今回は、ポルタメント愛について語ってみたいと思います。


みなさんご存知のポルタメント、機種によってはグライドと書いてあることもありますが、このパラメーターを上げると音程移動が階段状でなく滑らかに動いていきます。

じゃ、そこへのこだわりって何?という方も多いと思うんですが、その動き方のちょっとした違いで同じフレーズを演奏させても雰囲気というか表情が変わります。

例えばポルタメントのカーブを変更できる例として、TONE2というメーカーのNEMESISというソフトシンセではポルタメント(グライド)のモードが3種類あり‥


Modern glide‥直線的な変化(最初から最後まで変化の傾きが一定)

Vintage glide‥最初が速く、目的のピッチに近づくにつれ遅く変化

Variable glide‥音程移動の距離で変化時間が変わる(近い音程へはすぐ、遠い音程へは時間がかかる)


もちろんどれが一番良いということでは無く、演奏するフレーズやポルタメントタイムとの組み合わせで一番いい感じになるものを選ぶ訳ですが、かなり表情が変わってきます。

なかなか言葉で表現するのが難しいんですが、Vintageの方が粘っこい感じになります(笑)


また、シンセにはオシレーターが複数搭載されていることがほとんどですが、オシレーターそれぞれのポルタメントタイムを別々に設定できるものが意外と少なく、そんな中、自分が好きなユーロラックのモジュールでANALOGUE SOLUTIONSのVCO2というモジュールがあり(ぜひネットで検索してパネルを見てください)、このモジュールはオシレーター2つにそれぞれ別のポルタメントタイムが設定できるだけでなく、オシレーター1と2でX-MODもかけられるので、音程移動時に複雑な倍音変化をさせることもできるというお気に入りで、アレンジしていて何かちょっと違う音が欲しいなと思った時など、ポルタメントタイムを多少手で動かしたりしながら取り込んだりしています。

そういえば、Dave Smith Instruments社のMophoというシンセも、オシレーター1と2で別々のポルタメントタイムが設定できて好きでした。


そしてさらなるポルタメントへのこだわりとして、Doepfer社のA-171-2 Slew Processor/Generatorというモジュールがあり(こちらもぜひネットで検索してパネルを見てください)なんと!音程(CV)が上へ移動する時と、下へ移動する時で別々の速度を設定し、さらにそのカーブも別に設定できるという優れもの!!

これにより、例えばあるフレーズで、音程が下がる時はポルタメントタイムが速くすぐに下がり、上がる時だけゆっくり、カーブも粘っこく上がるということも設定でき、こだわりのリードフレーズやシーケンスフレーズを作りたい時に重宝しています。


最近はバーチャルモジュラーシンセも増え、ここに書いたような実機を持っていなくても、凝ったポルタメント効果を作ることができるので「ちょっと変わったフレーズが欲しいな」と思った時にはぜひ、いつもと違うポルタメントを試してみてください!!


JSPA理事:守尾崇

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