【オシレータを持たないシンセサイザー】
こんにちは、JSPA理事の渡部です。
今日は題名の通り、「オシレータを持たないシンセサイザー」についてコラムを書いていこうと思います。
「シンセにはオシレータが付いてるでしょ?」そう思うはずです。
まずはその前に、外部入力可能なシンセについて記載しておきましょう。
miniI MoogやMS-20などは外の音を入力し、フィルターやエンベロープで加工して出力することができます。
ギターやドラムを入力して加工し、出力する。これが外部入力の基本形ですよね。
他のシンセ、例えばYAMAHAのSY99などはサンプラーから本体に読み込み、FMをすることができることから、外部入力を「変調」することができます。このサンプリング機能は、最新機種であるMONTAGEにも受け継がれています。
上記はいわば、外部入力を加工(エディット)することができるシンセに該当します。
そこで、今回のタイトル、オシレータを持たないシンセとは?
ShermanのFilterbankシリーズです。
名前の通りフィルターを用いたエフェクターなのですが、全ての楽器をモジュレートすることができます。
Filterbankにはオシレータは搭載されていません。オシレータに該当する音源を外部入力し、加工することで予想だにすることができないサウンドを得ることができます。
「普通のフィルターなんじゃないの?」そう思われがちですが、とにかく様々な変調をかけることができます。
普通のフィルターマシンとしても機能するのですが、FM、AM、トリガーIN、OUTなどの
通常のフィルターには無い機能が実装されています。
そして非常にピーキーなエフェクターなんです。
例えば、ギターをINPUT端子に音を入力し、少しでもゲインを上げた時点でディストーションに近い歪みが生じます。
それを2基あるフィルターで加工します。2基あるフィルターはLP、BP、HPにシームレスに可変ができる仕様になっており、シリアル、パラレルで加工する信号を変えることができます。
そしてここからがFilterbankの真骨頂、変調をかけることができます。
音量やフィルターをコントロールするエンベロープに加え、2基のフィルターを強制的に変調させることで生まれるハーモニクス、FM INにこれまた違う音源を入力することで 、壊されたカットオフ信号を得る事ができるモジュレート機能、音量差で出力段階を変調できるAM機能、音程が判別できるレベルまで上昇するLFO。
とにかく様々なモジュレートが可能なエフェクターなんです。
エンベロープはフィルター(ADSR)と音量(AR)に分けられています。
「ね?ここまで来るとシンセサイザーでしょ?」そう思っていただければと思います。
私の制作には必須のエフェクターです。ピーキーすぎるところも愛おしい点ですね。
サウンドを破壊する強烈なフルアナログフィルター、それがFilterbankです。
みなさんも外部入力機能をガンガン使ってガンガンエディットしていきましょう!
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